皆さんは「モラハラ」という言葉の意味をご存じですか。

モラハラとは、「モラルハラスメント」の略称で、道徳・倫理に反した嫌がらせで相手を精神的に追い詰める行為全般を指します。

近年は、新聞やニュースなどでも話題に取り上げられるようになりましたが、どのような行為のことを指すのでしょうか。モラハラは肉体的な暴力でなく、精神に関する行為のため、周囲に気づかれにくく、自身が被害者または加害者であったとしても、その自覚が難しいケースもあるかもしれません。

モラハラに気づいて抑止するには、モラハラへの理解を深めることが大切です。

今回は、モラハラの意味やケース毎の事例を挙げながら解説したいと思います。

モラハラとは

モラハラとは

まずモラハラとは、倫理や道徳に反したいじめや嫌がらせ「モラルハラスメント」の略称です。

厚生労働省では、モラハラを「働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせること」と定義付けてます。
精神的に傷を負わせる行為はさまざまで、暴言や無視、脅しなどがあります。加害者にその自覚はなくても、被害者が精神的苦痛を感じているのであれば、モラハラは成立します。

モラハラという言葉の背景

このモラハラという言葉は1999年頃、フランスの精神科医であるマリー=フランス・イルゴイエンヌの著書をきっかけに広まりました。この著書による影響は、強く、1999年国会で法案が提案され、2002年には「モラル・ハラスメント」を規制する条文を導入した「社会近代化法」が制定されました。

他のハラスメント

このようなハラスメントは他にもあり、似た言葉としてパワハラ(パワーハラスメント)があります。パワハラとは「権力や立場を利用した嫌がらせ」を指し、日本では2000年代初頭にこの言葉が広まりました。

パワハラの定義は、職場で上司や先輩などが部下や後輩に対して「立場や職権を利用して相手に嫌がらせ行為を行う」ことです。モラハラはパワハラと違って職権は関係無いため、職場のみならず、家庭や恋人、友人同士の間でも発生することがあります。

モラハラのケース

最後に、モラハラの事例を「家庭」と「職場」のケースに分けて紹介したいと思います。

ケース(家庭)

ケース①

夫婦や家族の関係が対等ではないと、加害者側は相手を自分よりも下だと決めつけ、モラハラをする場合があります。被害者の失敗や間違いを延々と責め立て、友人や親族などの前でも行われることがあります。

それが日常化した場合、被害者の些細なミスで過剰に怒り、人格否定へ発展する可能性も考えられます。

ケース②

「子育て・育児は妻の役目」と考えを持つ夫は、全て妻に任せて自身は一切手伝わない場合があります。それにも関わらず、妻の育児にダメ出したり、妻の言動を否定したりします。そして自分は絶対に謝らず、自分が正しいと思う傾向があるのも特徴です。

ケース(職場)

ケース①

その人の能力を明らかに能力を超えた量の仕事を与えたり、逆に仕事を回さずコピー取りなどの雑用ばかり押し付けるなどが挙げられます。また、会議の日時など業務に必要な情報を教えてもらえず、業務上の支障が出てしまうこともあります。

ケース②

業務とは関係ない恋愛や結婚などのプライベートについて聞きだそうとします。そして、聞き出したプライベートを侮辱したり、周囲に吹聴したりするような行為もモラハラに値します。

まとめ

今回はモラハラの定義やパワハラとの違い、ケース毎の事例について紹介しました。

モラハラといったハラスメント問題は、どの場所にいても起こり得る難しい問題です。記事でもお伝えしましたが、モラハラは周囲から見えにくく、被害者であっても自分を責めてしまう場合もあります。

将来の自分が加害者または被害者にならないためにも、この記事を参考にモラハラへの理解を深めてみて下さい!